本ページで桐10と表記しているものは、桐10以降に発売された「桐sスマートライセンス」「桐10s」を含みます。
ここでは桐ver9、桐9-2004、桐9-2005、桐9-2006、桐9-2007、桐9-2009、桐9-2012、桐9sを総称して桐9と記述します。
桐10では桐9のファイルを扱うことができます。桐9のファイルはそのまま開くこともできますが、その都度変換処理が発生してオープン・クローズに時間がかかる他、共有で使用できないなどの制限もあります。なるべく桐コンバータで桐10形式に変換してからお使い頂くことをお勧めします。
なお、桐ver8以前のファイルは桐10で扱うことができません。桐ver8以前のファイルは桐コンバータで桐10形式に変換してからお使いください。
つぎに桐10に移行する際の手順や注意点をまとめます。
桐10から、ファイルの拡張子の末尾が「x」に変わります。具体的には、つぎの拡張子が変わります。
【表1】ファイルの拡張子
ファイルの種類 | 拡張子 | |
---|---|---|
桐9 | 桐10 | |
表 | .tbl | .tbx |
結合表 | .viw | .vix |
外部データベース定義 | .xvw | .xvx |
フォーム | .wfm | .wfx |
レポート | .rpt | .rpx |
一括処理 | .cmd | .cmx |
イベント処理 | .kev | .kex |
k3フォーマットファイル | .k3 | .k3x |
変数ファイル | .var | .vax |
たとえば今まで使用していた「JUSHO.TBL」は、桐10形式に変換すると「JUSHO.TBX」になります。
桐10で桐9のファイルを開き、編集することができます。実際にはファイルを開く際、桐9のファイルを桐10形式に変換し、閉じる際に再度桐10の形式から桐9の形式に変換するため、サイズの大きなファイルを扱う際には時間がかかります。
また、桐9のファイルを扱うときは、つぎの制限がありますのでご注意ください。
桐9のファイルは桐コンバータを使用して桐10形式に変換することで、すべての機能が使用できるようになります。
また、桐ver6から桐ver8のファイルは、桐コンバータを使用して桐10形式に変換することで、桐10で使用できるようになります。
桐コンバータを使用するには、つぎの手順で操作します。
失敗 … ファイルを開くことができません(他のプログラムが使用中の可能性があります) 桐などでファイルを開いています。桐を終了してから実行してください。 |
失敗 … ファイルを作成することができません(フォルダの属性や権限を確認してください) 変換元のフォルダやファイルをフルコントロールできる状態にしてから、再度変換してください。 |
中止 … 変換対象外のファイルです(セキュア化されています) ファイルのセキュア化を解除してから変換してください。 |
中止 … 変換対象外のファイルです(桐5以前の桐ファイル) 桐5以前のファイルは変換できません。桐9形式に変換した後、作業してください。 |
失敗 … 変換後のエンジン処理でエラーが発生しました ファイルが壊れている可能性があります。桐9でファイルを修復してから作業してください。 |
失敗 … 変換に失敗しました(ERRCODE=-xxx) ファイルが壊れているか、ディスクが損傷している可能性があります。桐9でファイルを修復してから作業してください。 |
桐コンバータではファイルの拡張子を桐10形式に変換しますが、定義に含まれる処理条件や計算式、表引き条件の拡張子までは変更しません。たとえば「売上.tbl」で「商品.tbl」を表引きで使用していたとします。これらの表をコンバートすると、ファイル名が「売上.tbx」と「商品.tbx」に変わります。ただし、「売上.tbx」の表引きの定義は「商品.tbl」のままです。
桐10では、桐10形式のファイルを開くと、そのファイルで操作するファイルもすべて桐10形式と判断し、桐9の拡張子を指定しても桐10の拡張子に読み替えます。具体的には、つぎの機能で拡張子の読み替えを行います。
【表3】拡張子を読み替える機能分類 | 機能 |
---|---|
表 | 表引き |
読み込み | |
書き出し | |
併合 | |
レポート印刷 | |
使用フォーム | |
フォーム | 参照表 |
編集対象表 | |
コマンドボタン | |
サブフォーム | |
イベント処理ファイル | |
レポート | リンク表 |
対象表 | |
一括処理 イベント処理 |
表 |
結合 | |
編集表 | |
読み込み | |
書き出し | |
併合 | |
レポート印刷 | |
使用フォーム | |
ウィンドウ作成 | |
フォーム呼び出し | |
フォーム選択(メソッド) | |
エクセル | |
ファイル変換 | |
一括処理実行 | |
ライブラリ | |
一括書き出し | |
一括読み込み | |
表検査 | |
表修復 | |
変数読み込み | |
変数書き出し | |
その他 | ファイル変換 |
関数 | #表引き |
#表引き2 |
たとえば、「商品.tbx」で併合元表に「売上.tbl」を指定しても、「売上.tbx」に置き換えて実行します。
次のコマンドと関数は、環境設定で拡張子の読み替えを行うかどうか設定できます。
【表4】拡張子の読み替えを行う かどうか選択できる機能分類 | 機能 |
---|---|
一括処理 イベント処理 |
ファイル複写 |
ファイル更新 | |
ファイル削除 | |
ファイル移動 | |
ファイル名変更 | |
関数 | #表番号取得 |
#表オープン状態 | |
#ファイル属性 | |
#ファイル検索 | |
#表ファイル名 |
なお、#ファイル名と#ファイルサイズについては拡張子の読み替えを行いませんので、必要に応じて変更してください。
桐10では、開いているファイルが桐10か桐9かによって、扱うファイルの文字コードが決まります。具体的には、つぎのようになります。
【表5】機能を実行する際の文字コード分類 | 機能 | 桐9 | 桐10 |
---|---|---|---|
読み込み | 表 | JIS(.tbl) | Unicode(.tbx) |
テキスト | シフトJIS | シフトJIS、UTF-16 | |
K3フォーマット | シフトJIS(.k3) | UTF-16(.k3x) | |
CSV | シフトJIS | ||
書き出し | 表 | JIS(.tbl) | Unicode(.tbx) |
テキスト | シフトJIS | UTF-16 | |
K3フォーマット | シフトJIS(.k3) | UTF-16(.k3x) | |
CSV | シフトJIS | ||
転置 | JIS(.tbl) | Unicode(.tbx) | |
表の枠組 | JIS(.tbl) | Unicode(.tbx) | |
併合 | JIS(.tbl) | Unicode(.tbx) | |
一覧表印刷 | HTML出力 | UTF-8 | |
レポート印刷 | HTML出力 | UTF-8 | |
変数管理 | - | シフトJIS、UTF-16(.var、.vax) | |
一括処理 イベント処理 |
表作成 | JIS(.tbl) | Unicode(.tbx) |
印字 | シフトJIS | シフトJIS、UTF-16 | |
エクセル | JIS(.tbl) | Unicode(.tbx) | |
ファイル変換 | JIS(.tbl) | Unicode(.tbx) | |
一括書き出し | シフトJIS | UTF-16 | |
一括読み込み | JIS(.cmd) | Unicode(.cmx) | |
変数読み込み | シフトJIS(.var) | UTF-16(.vax) | |
変数書き出し | シフトJIS(.var) | UTF-16(.vax) |
たとえば、桐10の表からテキスト書き出しを行うと、書き出したテキストファイルの文字コードはUTF-16になります。桐9の表からテキスト書き出しを行うと、書き出したテキストファイルの文字コードはシフトJISになります。
また、桐10の表で読み込める表は桐10の表のみ、桐9で読み込める表は桐9の表のみとなります。
なお、一括処理の場合であっても開いている表のバージョンに応じて文字コードが決まりますが、表5のコマンドについては実行した一括処理が「.cmd」の場合に桐9、「.cmx」の場合に桐10として文字コードを扱います。
桐10では Windows版の桐で使用していた外字をそのまま使用できます。桐10はシフトJISとUnicode間で外字領域を自動変換します。
なお、MS-DOSで使用していた外字領域は桐10で扱うことができません。MS-DOS版の桐から変換する際はご注意ください。
桐10sで追加された機能を使用したファイルを桐10で使用する場合、つぎの点にご注意ください。